僕たちのCDを置いてくれてゲリラライブを
常時行える大きめのステージのある
CDショップへ足を運ぶ。
「こんにちは。」
(あれ、聞き覚えのある声)

「店長の辺里で、」
僕をみると固まった。
(当たり前だよね、僕も驚いてる)
「こんにちは、椿さん、」
椿さんはツカツカと歩いてきて僕の手を両手で力強く握った
「あの、椿、さん?」
「まさか、雪希ちゃんがアイドルだった
なんて驚いたけど応援するわ」
「あ、ありがとうございます」
「Rainbow Roseの特設売り場を
設けないと。グッズとかサインとか。
どこに置いたらみんなの目に止まるかな。」
と浮き足立っていたが

「あの本日はありがとうございます。」
千鶴さんの声に椿さんは我に返った。
「いえ、いいんです。どんなアーティスト
でも自由にライブをしてほしくて
作ったステージですから、」

諸々の準備をしてステージに立つ。
「こんにちは!俺たちアイドルグループRainbow Roseです」
人は多いが立ち止まる人はいない。
(見向きもされないって変に反応されるより
辛いんだね)

隣にいる類をみると口元に弧を描いていた。
息を吸い、ショップ内を見渡して
「っ、CDを買おうとしているお姉さんも
買い物が終わったお兄さんも」
これでかなりの人が足を止めて
こっちをみる。

「お時間があるのなら少しだけでも
見ていってくれませんか?」
数秒してから
「ありがとうございます。」
ここで類は少し声を落とした。
「俺たちは変われることを求めてアイドルになりました。変わることは本当に怖くて
何度もやめようと思って、でもやっぱり
変わりたい自分がいて。
そんな誰かの背中を押せるような、
勇気の出る曲。聞いてください、
偶然と奇跡。」

煌めいている世界を僕は憧れた
1人、部屋の隅で夢を見る
1人じゃなにもできないと思い込んでいた
最初の一歩が踏み出せず、言い訳ばかりで、それでも
何かが変わると信じて
自分を奮い立たせて歩き出す
偶然見た光を探し求めて、躓いて、
消えてしまった光、でもそこで居場所を
見つけた。大丈夫、可能性を、
自分を信じて進める、そこから見える景色は永遠に胸の中へ。

変われたと思っても崩れる現実。
やっぱり変われなかったのね。
やっぱりだめだった、私にはできない。
再び誰かと線を引き、閉じこもる。
届いたよ
優しい声に飛び出して
あの人の元へ走り出す。
今はまだ頼りなくて小さな光だとしても
いつかはかけがえない場所へ 変わるって
確信をしてる。大丈夫、奇跡を
仲間を信じて止まらない。自分だけじゃ
創れない 刹那の景色だとしても。

息苦しくて、怖くてつらくて沈みそう。
どこかで疑っている自分が1番大嫌い。

あの日見た光を探し求めて、躓いて、
消えてしまった光、でもそこで居場所を
見つけた。大丈夫、可能性を、
自分を信じて進める、そこから見える景色は永遠に胸の中へ。