#05 仔犬




「また明日~」

「部活遅れちゃう!」



翌日、放課後

あんなに憂鬱だったバイトが待ち遠しいのは、彼のことが気がかりだったから。



心配するなと言われたけど、心配だ。



「おはようございます」



制服に着替え、勤務開始時刻の5分前には準備を整え店に立つ。



「あー、ヤマシタさん」



お昼から夕方まで勤務のハヤシさんがレジのお金を数えながら話しかけてくる。

50前後の女性だ。



「あなた――最近オトコに絡まれてるでしょ」

「え?」

「なんだか不気味な。ひょろっとしてて……言っちゃなんだけど、暗い感じの」