史彰は勤め先の弁護士事務所の広告や、ホームページにも写真が使われている。さらには他にも有識者としてコメンテーターなどの仕事がちょくちょく舞い込んできているのを私は知っている。
取材などは受けても、テレビ出演などはこれ以上増やしたくないと断っているのは、やはり弁護士としての仕事を優先したいからだろう。
「史彰はしっかりしたいい人だよ。遊んでないし、誠実だよ」
「夕子はわかってくれてるんだけどなあ。世間はなあ」
「私が知ってるだけじゃ駄目?」
励ましたくて言った言葉に、史彰がこちらを見た。見開かれた目が私を映していて、私の方が慌ててしまった。
「いや、ほら。家族って味方でしょ。たとえば、史彰が超濡れ衣を着せられて、世間からすごく悪く言われても、私は史彰の本性を知ってるわけだから、信じるし味方でいるってことで……ええと、それと史彰が求める社会的イメージとは違う話なんだけど」
「そっか、夕子が俺をわかってくれてるのは、一番嬉しいことなんだ」
史彰がかぶせるように言ってきた。
綺麗な薄茶の瞳が私をじっと見つめている。頬が少しだけ赤く見えるのは気のせい?
「世間のイメージのために結婚したのは間違いないけど、考えてみたら夕子がわかってくれてるっていうのは精神的にすごくプラスだよ。俺の表面しか見ていない人間に理解を求める必要なんかないって思える」
それは史彰の中で価値観が変わってきているということ?
でも、私自身も史彰と暮らしていると感じる。世間に出したい私の得意料理を誰より楽しんでくれているのが史彰なのだ。私の心はその点でかなり満たされている。
取材などは受けても、テレビ出演などはこれ以上増やしたくないと断っているのは、やはり弁護士としての仕事を優先したいからだろう。
「史彰はしっかりしたいい人だよ。遊んでないし、誠実だよ」
「夕子はわかってくれてるんだけどなあ。世間はなあ」
「私が知ってるだけじゃ駄目?」
励ましたくて言った言葉に、史彰がこちらを見た。見開かれた目が私を映していて、私の方が慌ててしまった。
「いや、ほら。家族って味方でしょ。たとえば、史彰が超濡れ衣を着せられて、世間からすごく悪く言われても、私は史彰の本性を知ってるわけだから、信じるし味方でいるってことで……ええと、それと史彰が求める社会的イメージとは違う話なんだけど」
「そっか、夕子が俺をわかってくれてるのは、一番嬉しいことなんだ」
史彰がかぶせるように言ってきた。
綺麗な薄茶の瞳が私をじっと見つめている。頬が少しだけ赤く見えるのは気のせい?
「世間のイメージのために結婚したのは間違いないけど、考えてみたら夕子がわかってくれてるっていうのは精神的にすごくプラスだよ。俺の表面しか見ていない人間に理解を求める必要なんかないって思える」
それは史彰の中で価値観が変わってきているということ?
でも、私自身も史彰と暮らしていると感じる。世間に出したい私の得意料理を誰より楽しんでくれているのが史彰なのだ。私の心はその点でかなり満たされている。



