「週刊誌に載った写真、妙に後藤アナがカメラ目線だったんだよねえ。案外記者と連絡とってシャッターチャンスを作ってあげてたのかも」
そうだとしたら合点はいく。なにしろ、史彰は何度かテレビ局を出たところで記者と会っているけれど、普段の仕事や家の周りで私と過ごすときには記者に狙われるようなことはなかった。
「女子アナの策略にハマった可能性があるかもよ。八田さんと仲直りしたら?」
「それは……仲直りした方がいいとは思ってる」
「なんか引っかかってるの?」
「キツい言い方しちゃったのよ。史彰は謝ってくれたのに」
たぶん、一番反省しているのはそこ。
彼が誠実な人なのはわかっていると言いたかったのに『恋愛結婚じゃないから誰といい仲でもいい』なんて言ってしまったし、不手際を責めるような態度を取ってしまった。
それがあの局アナの罠だったとしたら、彼は被害者なのだ。
「八田さんってチャラいより、優しい人だよね。そこに付け込まれてしまったなら、彼にだって非はあったよ。契約内容を覆されそうになって夕子が責めるのは当然」
「だけど、私からも謝るべきだと思う」
私はこの生活を続けたいのだ。居心地のいいパートナーとの安心な生活を続けたい。
史彰が美味しそうにごはんを食べてくれるのを見たいし、ふたりで仲良し夫婦ごっこをするのを楽しみたい。
それはもう、私の心に生まれて根を張った欲求だった。
そうだとしたら合点はいく。なにしろ、史彰は何度かテレビ局を出たところで記者と会っているけれど、普段の仕事や家の周りで私と過ごすときには記者に狙われるようなことはなかった。
「女子アナの策略にハマった可能性があるかもよ。八田さんと仲直りしたら?」
「それは……仲直りした方がいいとは思ってる」
「なんか引っかかってるの?」
「キツい言い方しちゃったのよ。史彰は謝ってくれたのに」
たぶん、一番反省しているのはそこ。
彼が誠実な人なのはわかっていると言いたかったのに『恋愛結婚じゃないから誰といい仲でもいい』なんて言ってしまったし、不手際を責めるような態度を取ってしまった。
それがあの局アナの罠だったとしたら、彼は被害者なのだ。
「八田さんってチャラいより、優しい人だよね。そこに付け込まれてしまったなら、彼にだって非はあったよ。契約内容を覆されそうになって夕子が責めるのは当然」
「だけど、私からも謝るべきだと思う」
私はこの生活を続けたいのだ。居心地のいいパートナーとの安心な生活を続けたい。
史彰が美味しそうにごはんを食べてくれるのを見たいし、ふたりで仲良し夫婦ごっこをするのを楽しみたい。
それはもう、私の心に生まれて根を張った欲求だった。



