不思議なことに大多数の人々は、ペンダントを外しておく、という発想には至らないみたいだ。垢玉は一生に一度しか作ることができない。失くしたら大変だし、外すくらいなら最初から付けなければいいのに。という考えを持っている人が多いのかもしれない。



「そういうこと。もしよければ私の垢玉、見せてあげようか」

「えっ、今あるの?」

「いや、今は無いけど、お家に行けば見られるよ。その、もしよければ……」



 やはり同学年とはいえ初対面の異性であるから、まだ若干のぎこちなさがある。けれども、かなり嬉しかった。藍ちゃんは僕を家に招待してくれるみたいだ。



「お邪魔してもいいの?」

「面倒じゃなければ、ぜひ」