「香織、巴から聞いたんだけど、彼も今日ここに来てるみたいよ。」

「えっ!?」

私は血の気が引くようにきっと今の顔は青ざめているだろうなと思う。

沙綾が、あえて彼呼びしてるのも他の人に顔が見えないように配慮して話すのもおそらく、私の顔の変化も気づかせないためだろう。

「土浦さん、それは誰よりも情報ですか?」

私の問いかけに怯えたような反応を見せたが、すぐ答えてくれた。

「あっ、はい。専務から聞きました。」

「二人ともありがとうね。ちょっとお花摘みに行って良いかしら。」

私は満面の笑みでお礼を良い、その場を後にし上の階のお手洗いへ行く。
パーティー会場がある階にもお手洗いはあるが、なるべく人に遭遇しないためにも違う階のお手洗いへ行く。
そのためか女子トイレは誰もいない。

密室になった私はドレスの中に隠していたスマホを取り出し、あるグループメールに連絡を送る。

『彼がこのパーティーに来てるらしい。
そのため、対象もこの会場にいる可能性が極めて高い。
招待客の監視及び動向を徹底せよ。』

メール送るとグループメールのメンバーから『了解』の返事が即返信来たことを確認したあと、スマホを入れる。
そして、別のポケットに入ってる物を軽く触る。

「今でも貴方のことが大好きなの。だから、貴方に闇の世界には触れさせないから。絶対」

私は、再び会場にも戻る。