そのまま何も言わず乗り込んできた難波さんに息を飲むと、「あのん、」と久しぶりに呼ばれた。



「っ、はい…。」


「……っはぁ。」



え、なんでため息…?なんのため息??………髪型、やっぱり似合ってなかった…?


咄嗟に頭に手を伸ばし、手櫛で誤魔化す。



「…似合って…なかった、ですか?…。ごめんなさい。」


「………。」


「でもすぐ伸びます!わたし伸びるの早いっ………難波、さん?」



手櫛する手を掴まれ、そのままエレベーターの端に追い込まれると、至近距離に難波さんが。


っ、近い…!



「…すっごく似合ってる……似合いすぎててムカつく。」


「…え?…、」



ムカつく??似合ってるのに…?なんで?


難波さんの瞳にそう問いかけると、吸い込まれるように唇が奪われた。



「っ、………。」



ここエレベーター……誰か乗ってきたら…っ。