雅は色白でふわふわした容姿に反して、中身はかなりの毒舌で、頭の回転がとにかく早い。
そんな雅との仕事はやりやすかった。
その後のクラス行事も雅主導で進めていく。
俺はその補佐で、それがすごく心地良かった。

みんなをまとめている時の雅は格好いい。
小柄で頭一つ分身長が違うのに、俺でさえ頼れるお姉さんだと思ってしまう。

時が流れ、中学の卒業式が近づく。
俺はもうすぐ終わってしまう俺達の役割に、言いようのない寂しさを感じていた。

高校に上がれば、もちろんクラス替えがあって、おそらく離れることになるだろう。

幼稚園からずっと一緒なのに、同じクラスになったのは初めてなんだ。今回が奇跡のようなものだったんだろう。

いつも左下を見ると、小柄な雅のココアブラウンのつむじが見える。いつのまにか、その光景が当たり前になっていた。
あの可愛い顔に似合わない毒舌も、妙に可愛いらしく俺の耳には聞こえる。
雅の大きな目が俺を見上げると、なぜだかドキドキするんだ。

これは、この気持ちは……おそらく恋なんだろう。

俺は中学3年で、初めての恋に落ちたのだ。