「なんだか…。モロに時間とお金の無駄になりそうだよね。ただでさえ連休明けでブルーなのに」

連休明けの放課後、美保さんが憂鬱そうに言う。

今日の英語の授業のあと、週末に、このクラスのみんなで飲もうという話になったのだ。

「そうだね。私も気乗りしないなぁ…」

英語のクラスは割と少人数だから、他のクラスメイトたちも、何となく義理で私たちに声をかけたような感じもする。

そんなところに参加するのは、美保さんの言う通り、時間とお金の無駄だろう。

因みに、私が連休初日にイタミンと初デートしたということや、そもそも、イタミンの存在すら、まだ美保さんには話したことがない。

そうだ。

美保さんなら少しお姉さんだし、相談してみようか。

「ねぇ、美保さんって恋人いる?」

「え、何?唐突に」

「いや…美保さんならモテそうだしなぁって」

「うーん…。あー…あんまり言いたくはないけど…よし!じゃあ、思い切って言うわ」

何でそんなに躊躇うのかと思ったら、

「実は、地元で浪人してた頃、好きなバンドのファンサイトで知り合った人が居るんだよね。都内在住の男の人で」

なるほど、そういうことか。