BODY BLOW ~Dr.剛の恋~

しばらくそうしていた後、宝が体を起こした。

「何か、食事を作るわ」
時計を見ると、午前10時を回っている。
「あ、待って」
俺は、部屋を出ようとする宝を止めた。

「なに?」
不思議そうな宝。

俺もベットを降り、宝の隣まで行くと
「今回のこと反省しているよね?」
うん。と頷く宝。

「じゃあ、これからは1日8時間以上の仕事はしないで」
「無理よ。店が回らない」
「俺が手伝うよ」
「はあ?剛の方が忙しいのに。無理無理」
「俺が手伝うか、人を入れるか、営業時間を短くするか、選んで。このままでは、宝が倒れてしまうから」
困ったなって顔の宝。

「それと、これから1ヶ月間宝は酒禁止」
「はあ?」
「理由が聞きたい?」
「うん」
不思議そうな表情。

「そこのドアを開けて見たら」
そう言われ、宝がリビングに向かうドアを開ける。

「キャアー」
大きな悲鳴が響いた。

割れたグラスや、ガラス瓶。
こぼれたワインや、擦れた血の跡。
かなり凄惨な現場となっている。

「これだけの事したんだから、しばらくは禁酒してもらわないとね」
肩を叩きながら言う俺に、
「はい。反省します」
宝はかわいく頷いた。