Sapphire〜海賊に魅入られた少女〜

武器を床に落とし、震えている海賊たちを無視してディアンはサフィーの元へと歩いてくる。そして、サフィーにそっと手を差し出した。

「大丈夫か?サフィー」

その目は蕩けてしまうほど甘く、まるで恋人に向けるような優しい表情をしていた。サフィーが「申し訳ありません」と言いながらその手を取ると、力強く引っ張られて抱き締められる。

「……会いたかった」

強く抱き締められ、胸板をサフィーがどれだけ押そうが抜け出せない。船員たちがヒソヒソと話す中、頭にキスを落とされサフィーはもう泣きそうだった。側から見れば、サフィーとディアンはまるで再会を果たした恋人同士だ。だが、実際は付き合ってなどいない。

「お、お部屋にご案内致しますので!」

サフィーの肩に顔を埋めるディアンに必死で訴えると、彼は「仕方がないな」と言いながらようやく離れてくれる。その隙にサフィーはカウンターに戻り、部屋の鍵を取りながら大きなため息をついた。