「あ、帰ってきた。梨友!」
私は驚きと、焦りから右肩に下げていたスクールバッグを大きい音を立てて、床に落としてしまった
「なんで…、」
なんで、私の家に……
「り、りょ…りょ、りょうくん???」
お兄ちゃんのりょうくんがいるの?
「あ、梨友。おかえり」
お兄ちゃんはさっきの音とお母さんの声で、
ソファでテレビを見ていた目から離して、後ろを向いて私の方にむくと、すぐさま駆け寄ってきた
「おに…い…ちゃん…」
私は5年ぶりに会ったお兄ちゃんに抱きついたまま泣いてしまった
「梨友、お兄ちゃんにあったの5年ぶりだもんね。良かったわね」
私はしばらく兄の腕の中で落ち着くまで、子どもみたいに泣きじゃくった