「……。さっいあくだ」


「何が?」


私はベッドで座ったまま頭を抱える


「今日はお父さんが家を出た日なの、なぜ覚えてるかって言うと今日はお兄ちゃんの誕生日だから」

翔くんは飲んでいたジュースを少し吹いていた

「涼さん、誕生日なのか。今日!」


「そうなの?帰りが遅いって思ったら、浮気して、家を出ていくって言って……はぁ」

「わかったから、もう思い出さなくていいから」


翔くんは私を抱きしめると、頭を優しく撫でる

「うん、とりあえずお兄ちゃんにメール送らないとね」

私は翔くんから離れると、枕元に置いてあったスマホを取り出す