秀吉は誰にでも優しい、面倒見の良い性格だ。

マミの頬に涙の跡があることを秀吉は見過ごさなかった。

どうしても気になった秀吉はその足で信長の元に向かった。

「お館様、マミと何かあったのでしょうか」

「別に何もない」

「そうですか、相当動揺しているように見受けられたので、気になりまして」

「なあ、秀吉、マミは信玄が好きらしい、マミの気持ちを俺に向かせるにはどうしたらいい」

「ああ、そうですね、毎日好きだって言ったらどうでしょうか」

「そんなこと言えるか」

「ですよね」

秀吉は信長の座敷を後にした。

その頃、マミは信玄様にあって、このドキドキの正体を探るべく城下へ行った。

こんなところにいるわけないか。

「きゃ」

ぼーっと歩いていたマミは人とぶつかってしまった。

「おい、娘、信玄様にぶつかっておいてきゃはないだろう」

「幸村、お嬢さんに失礼だぞ、大丈夫でしたか、お怪我は?」

マミの顔を覗いた男性はにっこり微笑んだ。