「コーヒー飲んでいかない?」

「いいんですか」

「どうぞ、入って」

信長はマミの部屋に入った。

「織田くんは彼女いないの?」

「いないです」

「そうなんだ」

部屋に二人っきりで、変な空気が流れた。

信長はマミのいない世界は考えられないと感じていた。

マミが戦国時代に行きたいと望めば、マミと共に過ごせる、しかし、

それがマミにとって幸せなのか、信長は迷っていた。

「織田くん、ちょっとお願いがあるんだけど」

「なんですか」

「クローゼットの上の棚を見たいから、私の身体を押さえておいてくれる?」

「いいですよ」

踏み台に乗ったマミの身体を信長はしっかり抱き抱えた。

「私が渡すものを受け取ってくれる?」

「はい」