そう言ったのは幸村だった。

「マミ、久しぶりだな、元気にしておったか」

そう声をかけてくれたのは信玄様だった。

私が挨拶をしようとしたら、信長様は両手を広げて、私の前に立ち塞がった。

「マミは俺の妻となった、気安く声をかけるな」

まるで、ガキ大将が俺のものに触るなと言わんばかりに私を背中に匿ったのだ。

「信玄様、話になりません、参りましょう」

幸村さんは私を睨んだ。

「そうか、では気が変わったら、俺の元に来い、良いな」

信玄様は余裕なのか、本気じゃないのかわからなかった。

「さ、マミ、もう行こう」

そう言って信長様は逆方向へ向かった。

やきもち妬いてくれてるのかなとちょっと嬉しかった。

「何を笑ってるんだ」

「だって、信長様、やきもち妬いてくれたんですよね」

「そんなことはない」

「そうなんですか」

私はわざとしょぼんとして見せた。