信長はある日、マミを城下に誘った。

「マミ、久しぶりに散歩に出かけるとしよう」

「そうですね」

私は気分が良かったので信長様の誘いを受けた。

外は気持ちがよかった。

もしかして、戦国時代にいられるのも、あと少しなのかもしれない。

そんなふうにマミは感じていた。

信長様は私の手を握って嬉しそうに微笑んだ。

私といてどこが楽しいんだろうとちょっと不思議だった。

もし、私が突然消えたら、信長様はどうするのだろう。

もう、戦国時代には戻って来れないかもしれない。

戦国時代に来たばかりの時は、現代に戻れないかもと心配していたが、

流産して、この時代にいる理由がなくなって、もしかして現代に戻ってしまうのかもと思うようになった。

そうしたら、今度はこの時代に戻れないことを心配している。

それだけ、私はこの時代に慣れ親しんでしまったのだろう。

信長様の妻として、この時代に残るのも、悪くはないと思いはじめていた。

そんな時、信玄様と出会った。

「あ、約束を守らない女」