信長はマミを抱き抱えると「俺の宝物だ」そう言ってギュッと抱きしめた。

それから、足元に気をつけろ、栄養を取れなど、大変な気遣いを見せてくれた。

「男なら武士、女なら姫だな」

こんなにもデレデレな信長様ははじめてだと感じた。

しかし、幸せは長くは続かなかった。

マミは流産をしてしまった。

やっぱり、そうだよね、現代に生きている私が戦国で子供を生むなんて、

ありえないことだと痛感した。

信長様はずっと、私を抱きしめたまま動こうとはしなかった。

「信長様、私は現代に戻る運命なのでしょうか」

「そんなことはない」

「でも、信長様と私の子供は天に召されました、きっと信長様の子供を生み育てる女性は別にいるんです」

「マミ、俺の側にずっといろ、もうお前は俺の妻なんだぞ」

そう言ってくれても、私はどうしても信長様の側にいることに納得出来なかった。

マミはそれから、部屋に閉じこもっていることが多くなった。

「マミ、城下に散歩に出かけないか」

信長が誘ってもマミは首を縦には振ろうとしなかった。

食事もあまり喉を通らない。