その頃、マミは信長に流されてはいけないと、自分に喝を入れていた。

私はこの時代の人間じゃない、信長様の人生に関わりを持ってはいけない。

身支度を整えていると「マミ、入るぞ」と声をかけてきたのは政宗だった。

「おお、お前、お館様と寝たのか」

ギクっとして、政宗を見ると、ニヤッと笑っていた。

「違います」

マミは真っ赤な顔をしてしどろもどろになった。

「お前はわかりやすいな、そういえば外出禁止なんだって?」

えっ、どう言うこと?

マミは聞いていないと驚きの表情を見せた。

「聞いてません」

「そうか、でもお館様の命令だ」

「なんでですか、私の行動制限する権利は信長様にはないですよね」

「この城にいる限り、お館様の命令は絶対だ」

「誰も反論しないのですか」

「そんなことしたら殺されるぞ」

マミは確かにと黙ってしまった。

そこへ女中がマミを呼びにきた。