着物ははだけて、髪はグシャグチャで、明らかに情事の後を物語っていた。

「あの、これは……」

マミは慌てて自分の部屋に駆け込み、襖を閉めた。

「マミ、大丈夫なのか」

「大丈夫です」

秀吉はマミが天守閣の方から走ってきた状況で、朝まで信長と一緒だったと推測した。

そのすぐ後に秀吉は信長に呼ばれた。

「お館様、どうされたのでしょうか」

「マミは今、どこにおる」

「マミでしたら、自分の部屋におりますが……」

「そうか、それならよい、これから先、マミは外出禁止だ」

「かしこまりました」

秀吉は事情を把握した。

お館様の性格、無理矢理マミを連れ戻し、抱いたのだろう。

そして、独占欲をあらわに、外出禁止を命じた。

マミの合意の元かどうかが気になると秀吉は考えていた。