自分達の気持ちや、不安なことはちゃんと口にしよう。
ふたりで再出発するときに決めたことだ。
「ところで、写真を撮られたお店では何を買っていたの?」
ハイブランドのジュエリー専門店で梧桐の御曹司が買い物をしていたとなれば、それだけで話題になるのは仕方ないと思う。
雑誌がでたあとに、何を購入したのか探ろうとする客や他の週刊誌も押し寄せたと聞くから、慧さんの影響は絶大だ。
「気になる?」
慧さんは含みをもって笑う。
「気になるけど、話さなくてもいいよ。束縛したいわけじゃないの。面倒な女だなって嫌われたくないもん」
雑誌記事には、店員の「プレゼントをご購入なさいました」という証言が載っていた。
記者の問いかけに対しての最低限の回答だったかもしれないが、そういった場では、特に梧桐が対象の場合、なにも応えずに笑顔を返すのが正確だったらしい。
答えた店員はその後店を去っている。
慧さんが裏で手を回したんだろうなぁとうっすらと想像するくらいには、慧さんの力をわかってきてはいる。
「あの写真が撮られたのは詩乃を家に送った次の日だ。仕事を大急ぎで終えて、俺は店に駆け込んだ。なんで急いでいたかっていうと、詩乃の気持ちが変わらないうちに準備をしなくてはと思ったからなんだ」
「わたしの気持ち?」
「本当は、詩乃が卒業するまでゆっくり待って、それから告白しようと思っていたんだけれど、あの夜、君の思いを知れたから」
慧さんはポケットをゴソゴソと探ると小箱を出した。
「両思いなんだと思ったら居ても立ってもいられなくて、慌てて注文しに言ったんだ」
ブランドのロゴが印字された、薄紫色の箱だ。
わたしはそこから目が離せなかった。
慧さんは手のひらに置いた箱をゆっくりと開く。
そこには、想像したよりひとまわり大きいソリティアダイヤモンドの指輪があった。
吐息が震える。
ふたりで再出発するときに決めたことだ。
「ところで、写真を撮られたお店では何を買っていたの?」
ハイブランドのジュエリー専門店で梧桐の御曹司が買い物をしていたとなれば、それだけで話題になるのは仕方ないと思う。
雑誌がでたあとに、何を購入したのか探ろうとする客や他の週刊誌も押し寄せたと聞くから、慧さんの影響は絶大だ。
「気になる?」
慧さんは含みをもって笑う。
「気になるけど、話さなくてもいいよ。束縛したいわけじゃないの。面倒な女だなって嫌われたくないもん」
雑誌記事には、店員の「プレゼントをご購入なさいました」という証言が載っていた。
記者の問いかけに対しての最低限の回答だったかもしれないが、そういった場では、特に梧桐が対象の場合、なにも応えずに笑顔を返すのが正確だったらしい。
答えた店員はその後店を去っている。
慧さんが裏で手を回したんだろうなぁとうっすらと想像するくらいには、慧さんの力をわかってきてはいる。
「あの写真が撮られたのは詩乃を家に送った次の日だ。仕事を大急ぎで終えて、俺は店に駆け込んだ。なんで急いでいたかっていうと、詩乃の気持ちが変わらないうちに準備をしなくてはと思ったからなんだ」
「わたしの気持ち?」
「本当は、詩乃が卒業するまでゆっくり待って、それから告白しようと思っていたんだけれど、あの夜、君の思いを知れたから」
慧さんはポケットをゴソゴソと探ると小箱を出した。
「両思いなんだと思ったら居ても立ってもいられなくて、慌てて注文しに言ったんだ」
ブランドのロゴが印字された、薄紫色の箱だ。
わたしはそこから目が離せなかった。
慧さんは手のひらに置いた箱をゆっくりと開く。
そこには、想像したよりひとまわり大きいソリティアダイヤモンドの指輪があった。
吐息が震える。



