私、紬、蓮の三人で二年生のお好み焼き屋さんに入ると、そこには大和と奏が見知らぬ女子生徒に囲まれながらお好み焼きを食べていた。
「お前ら、こんな所に居たのかよ。」
「よっ。お前の当番終わったの?」
「蓮の事だからどうせサボりだろ。」
「ちげーよ。俺、めっちゃ忙しかったのに。」
蓮は梓達の元から離れて、吸い寄せられるかのように奏の隣の席に座った。
座席は四人席。
梓と紬は空いている蓮達の後ろ側の席に座った。
「次はどこに周ろっか。」
「2-5のクレープ屋さんにする?」
1年ぶりの学園祭は、半日では全て見回れない。
配布されたパンフレットを見て、紬と二人で次に向かう場所をあれこれ指差しながら決めていた。
ところが、背中合わせで聞こえてきた蓮達の会話は、周りにたかる女子が居るにもかかわらずに…。
「さっき、花音が俺に抱きついてきた時にチラッとブラが見えたよ。」
「マジか。花音はいつも第二ボタンまでシャツを開けてるもんな。ちなみに、今日は何色?」
「ラッキーだな。…あいつ、絶対Dカップだよな。」
イケメントリオと言っても、中身は至って普通の男子高校生。
梓と紬は、本当にどうしようもないなぁ…と、呆れるばかりであった。