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「ふーっ、よく働いたな。」



学園祭の午前チームの私達は、無事に役割を終えた。

蓮は頭に巻いていた黒タオルを解いて椅子に腰をかけている。
すっかりお疲れの様子だ。


『忙しいのは蓮だけだったんだよ』なんて、口が裂けても言えなかった。



体調が良くないのに、もう少し気遣ってあげればよかったな…。
最近、あまりにも元気そうにしているから、病気だという事を忘れがちだった。




「紬、どのクラスから見て周る?」

「お腹が空いたからお好み焼き屋さんがいいな。蓮くんは?」

「俺はお化け屋敷。」



紬との間に何故か割って入る蓮。
お陰で女子の視線が集まり、目立ちたくなくても注目の的に。



「何で蓮も一緒に行動するの?イジワルトリオで一緒に行動すればいいじゃん。」

「なんだよ、イジワルトリオって…。」



はっ、しまった!
心の中に留めていたネーミングをつい口にしてしまった…… 。



「梓〜。そんなこと言わないで三人で一緒に行こうよー。」



紬は私達がやり直してくれる事を切実に願っている。
だから、蓮を含めた三人で一緒に周るようにお願いしているんだね。