梓、大和、奏。

三連続でフラれて完全に心が折れてしまったけど……。
気持ちを立て直してめげずにアピールを続けようと思い、教室へ戻って梓を探した。



ところが教室内を隈なく探しても梓は何処にも見当たらない。

だから、自分の席でスケジュール帳に何かを書き込んでいる一人きりの紬ちゃんに、梓の居場所を聞く事に。



「紬ちゃん。梓が何処にいるか知ってる?」



俺は彼女にたったその一言しか言っていない。
たったそれだけ。

それなのに、正面に立つ俺へと見上げた紬ちゃんは、じわりと涙を浮かべて今にも泣き出しそうな悲しい表情をしていた。



「蓮くん………。私には…、耐えられないっ…。」



彼女は突然スクッと席を立つと、手の甲で涙を拭い俺をその場に置き去りにしたまま猛ダッシュでどこかへと走り去ってしまった。



「待って…、紬…ちゃん………。」



唯一まともな彼女でさえ俺に冷たい。
しかも、耐えられないってどーゆー意味?


何かがおかしい……。
まるで俺を避けてるみたいに。
一体、みんなどうしちゃったんだろう。



一人取り残された俺は、梓、大和、奏に次いで紬ちゃんにもフラれてしまったようだ。