ここ2日間、不治の病の件で人知れず頭を悩ませていた。
蓮は病気である事を隠す為に誤魔化していたけど、命に関わる問題だから一人では抱えきれない。
紬と大和。
蓮と直接的な関係があるこの二人には現状を知ってもらった方がいいと思って、思い切って打ち明ける事にした。
「………蓮は、もう先が長くないかもしれない。」
一瞬、場の空気が凍りついた。
紬と大和は衝撃的な言葉に仰天したのか目を見開いている。
その言葉を口にした自分自身も怖くて唇が震えてる。
大和「え…?いきなり何言ってんの?」
紬「どういう事?」
先日の花火大会が私と蓮にとって最後の思い出かもしれないと思ったら急に悲しくなって涙がジワッと浮かび上がった。
梓の涙によって事態の深刻さに拍車がかかると、二人は緊迫した空気に包まれた。
梓「蓮は不治の病みたい。恐らくもう先は長くはない…。」
大和「……は?見た限りではピンピンしてるけど。」
紬「嘘でしょ?蓮くん、今日もいつもと変わらず元気だったよ。」
うんうん、わかる。
驚くのも無理はないよね。
先日、蓮に体調はどうかと尋ねたら『昨日よりは良くなった』って言ってたから、きっと体調には波があるに違いない。
二人は一見元気そうに見える仮の姿に惑わされてしまったのだろう。