ーー今日は、昨日先生と会えなかった分のデートの日。
昨日、蓮が家に来なければ先生とのデートをすっぽかす事はなかったし、蓮が不治の病だと知る事はなかった。
実に調子が狂った一日だった。
先生は家の近所で私を車に乗せて高速道路のサービスエリアに車を停めると、昨日から我慢させていた感情を一気に爆発させた。
先生は、唇を優しく挟み込むようにふんわりとキスをする。
普段は自分から手をつなげないほどシャイだけど、積極的な今日はまるで別人のよう。
先生と交際するようになってから、唇の弾力や体温、タイミングや呼吸などを自然と知るようになった。
だけど、今日は唇の圧が少し強いような気がする。
強引というか…。
いや、強引はむしろ好きなんだけど。
先生の唇からは、心配する気持ちがじわじわと伝わってきた。
ごめんね、先生。
今日は先生の事をだけを考えるから、昨日の私を許してね。
梓は高梨の首元に両腕を回し、自分の唇を重ねて気持ちに応えた。