私は引き出しの中の小さな世界に、ガツンと重石がのしかかるような衝撃を受けた。
思い出の写真を手に取り、当時の事を思い浮かべながら一枚一枚写真を見て懐かしさに入り浸っていると…。
「引き出しを勝手に開けるなよ。」
このタイミングで部屋に戻って来た蓮は、鍵付きの引き出しを全開にして昔の写真を手にしている私に目が止まった。
「私達が付き合ってた頃の思い出の写真や品々……。まだ捨ててなかったんだ。」
「当たり前だろ。」
蓮は照れくさそうにしながら思い出の写真をヒョイと取り上げて引き出しに再びしまい、床に落ちている鍵を拾って施錠した。
もう一度やり直したいって言っていたけど、それはやっぱり本心なの?
蓮の気持ちは、今でも幸せだった当時のままなの…?
敢えて言葉にしなくても、引き出しの中身が私をそう思わせてしまうくらい彼の全てを物語っていた。