蓮はサラブレッド。
父親は、その年代には珍しい西洋的な小さな顔で、整った顔立ちの背が高いイケメン。
最初にお見かけした時はハーフかクオーターかと思っていた。
母親は、日本風の幼顔で目がくりっとしていて、蓮と同じくタレ目が印象的な美人。
昔から何度も思っているけど、蓮は母親似。
本当にそっくり。
でも、高身長は父親譲りなんだね。
おじさんがドアノブを引き開けると、彼の家で飼っているブラウンの毛並みが艶やかなミニチュアダックスフンドのキャラメルが、尻尾を振りながらおじさんの元へ駆け寄って来た。
「ん〜、キャラメル。きちんとお留守番していたかい。」
おじさんがその場にしゃがみ込み、愛情たっぷりにキャラメルの頭を撫でたり首元をさすったりしていると、キャラメルは私が久しぶりに顔を見せた事にも気付いた。
約半年ぶりに見たキャラメルは私の方にも尻尾をブンブンと振りながら近寄って来て、私の手元をペロペロと舐めている。
「キャラメル〜!久しぶりだね。私の事を覚えていたんだね。」
「当たり前だろ。キャラメルはお前と違って頭がいいんだよ。」
「いちいちつっかかるなぁ…。」
キャラメルとの感動的な再会に浸っていたのに、愛犬自慢を始めた蓮はいちいち面倒臭い一言を言う。
最近、キャラメルの存在を忘れていたけど、蓮と付き合った当時に飼いたてだった子犬のキャラメルとは、家に来る度に遊んでいたので久々の再会がとても嬉しかった。