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「あれ?ここは…。」
蓮に誘導されるその景色には見覚えがあった。
次の赤い屋根の家の角を左に曲がって、20メートル先のコンビニを右に曲がりがって3分歩き…。
右斜めの30段ある階段を登って、左に曲がり…。
左から数えて三軒目のグレーの屋根に白い壁の家。
「ほら、入るぞ。」
蓮に誘導された、そのデートの場所。
そこは、ななな何と………。
蓮と付き合っていた頃に週に二回は通い詰めていた蓮の自宅だった。
蓮は左手で梓の手を掴んだまま、右手でポケットの中の鍵を探す。
梓はまさかと思い、仰天した目で本人に聞いた。
「念の為に確認するけど…。もしかして、デートの場所って………。」
「俺んちだけど、何か?…あ、鍵発見!」
蓮は何食わぬ顔でポケットから鍵を取り出して鍵穴に差し込んだ。
急遽不測な事態に見舞われた梓は、一瞬で顔面蒼白に。