ーーあれは、まだ梓と付き合っていた頃。

梓のある事で悩んでいた俺は、クラブで悪酔いしてハメを外した。
浮気をしたつもりはなかったけど、悪酔いすると記憶を無くすクセがあった。


目が覚めると、知らない女とホテルのベッドの上。


これが、三回。
正直、自分でも呆れた。

だけど、梓にバレたら罪が重くなると思って包み隠さず話した。




そんなある日、梓は再三の浮気を素直に白状した俺に涙ぐみながら言った。



『信じられない…。どうしてまた浮気したの?…私は二回も許したのに、三回目なんて…バカなんじゃないの。もう無理。許せない…。』



梓ならまたいつものように俺を許してくれるだろうと甘い考えを持つ俺に対して、梓が下した決断は俺との別れ。


こうして俺は身に覚えのない浮気が原因で梓にフラれてしまった。