日中との寒暖差が開き、季節がガラリと衣替えしたかのように肌寒くなった、とある日の夜。


イケメントリオの三人は、行きつけの小さなクラブに遊びに来ていた。

大和は二人が見知らぬ女といちゃつき、奏はカウンターでうずくまりながら静かにお酒を飲んでいる蓮の隣の席に腰掛けた。



「おい、ヘタレ蓮。」

「誰がヘタレだ。」


「いや、ヘタレ蓮じゃなくて、ヘタレンだな。」

「ウゼー……。誰がヘタレンだよ。」


「クラブに来る前に何で塾行ってんの?梓はその事を知ってんの?」

「…いや、知らない。」


「そんなに猛勉してどーする。遊びに勉強と両立してたら、いい加減身体を壊すって。」

「お前には関係ねぇから。」



蓮は手元の焼酎をグイッと飲み干し、質問攻めの奏にぶっきらぼうに答えた。



店内はユーロビートやテクノ系の曲がガンガンかかり、顔を接近させないと声が聞こえないレベル。
でも、聞きたくない質問だったから、店内の曲はうるさい方が良い。



昼間は一日中梓について回り、夕方からは塾があって、体力的に消耗した夜は遊びといえども結構シンドイ。



「飲みすぎるとまた悪酔いして記憶がぶっ飛んで、朝起きたら知らない女とホテルで寝てるかもな。」

「またその話?ただですら、梓に浮気したと責められて、俺の中ではトラウマになってるのに…。」