「蓮……。」

「ん?」


「勘違いだったけど、蓮が死んじゃうって思ったら、蓮の事以外考えられなくなってた。その時に、この気持ちが恋なんじゃないかなって気付いたんだ。」



蓮は素直に気持ちを語った梓の身体をそっと離すと、優しく髪を撫でながら言った。



「なんだ、気持ちに気付いてたならもっと早く言えば良かったのに。俺はその言葉をずっと待ってたよ。」

「えへへ……。遅くなってごめんね。…でも、蓮は私のどこが好きなの?」


「お前の好きな所は、内面が強くて真っ直ぐな所。どんな苦難に直面しても、切り抜けようとする精神力が半端なくカッコよくて。でも、それはお前のデメリットでもあったから、お前の苦しみになかなか気付いてやれなかった。」

「……ううん。そんな事ない。蓮には沢山助けてもらったから。」


「俺と付き合う女は、必然的に嫌がらせ被害に遭うんだ。それが原因で長続きはしないんだけど、お前だけは違った。お前は泣き虫でいっぱい泣いていたけど、決して逃げなかった。そこに心を打たれたのかもね。」



そう言って恋する瞳を向けた蓮は、安心したように笑みを浮かべた。