「バカで…エロで…、自分勝手で本当にどうしようもなくて…。私の事になると見境がなくなるほどムキになったり。高梨先生に奪われるのが嫌で生意気に突っかかったりして。……だけど、そんな不器用な所も愛おしく思ったりして。」

「梓……。」


「私の気持ちは別れた後の努力する10パーセントじゃなくて、やり直そうとしていた時の90パーセントじゃなくて…。あんた以外見えなくなってしまった200パーセントなんだよ!」

「…………。」


「蓮が復縁を迫ってきた時には気付かなかったけど……。私が蓮を追いかけ始めてから、傍にいてくれた大切さに気付いたよ。」

「…………。」


「…残念だけど、私はあんた以上に人を好きになれないみたい。やっぱり蓮が好き…。蓮じゃなきゃ嫌だよ……。」



全身全霊、勇気を振り絞った。
今は三年前に告白した時以上に緊張している。


ビックリするほど声が震えた。
心臓はバクバクしていて、今にも壊れそうなくらいうるさくなった。




でも、今まで喉の奥に引っかかっていた気持ちがようやく言えた…。
本当はもっと早く伝えなければいけなかったのに。



「もぉっ……。イジワルなんだから。」



梓は頼りない手つきで涙を拭いながら、ヒクヒクと泣く。



今日は卒業式だけでも精神的なダメージを負っていたのに。
蓮が集合写真を撮った後に中庭から姿を消しちゃった上に、約束していた教室に行った後にあちこち探し回ったけどなかなか見つからないし。
教室でようやく会えたと思ったら、勝手にお別れの言葉なんて始めちゃってるし。

精神的にも肉体的にも、かなり疲れきっていたのに…。



そんな私に、気持ちを焦らせないでよ。
バカ……。