梓は高校生活最後のラストステージで心に秘めていた想いを吐き出す決意をしたが、先に唇が震え始めた。



「…私は、蓮が…好き…だよ。」

「えっ……?聞こえねぇ。」



自分でもびっくりするほど小さな声。
恥ずかしくて目を合わせる事が出来なかった。
蓮は顔を近づけているから聞こえてるはずなのに、私の気持ちを煽ってくる。

だから、次は目線を合わせた。



「蓮が…好き……。」

「声がちっちゃくて聞こえねーから、俺によく聞こえるようにもっと大きな声で言って。」



聞こえているくせに……、意地悪。

だから、次は教室に響き渡るくらい大きな声で言った。



「蓮が好きで好きでたまんないよ!」

「俺のどこが好きなんだよ。」


「蓮の全部が大好きなんだよ!」



梓は三年間心に溜め込んでいた気持ちを、全て吐き出した瞬間…。
先程までグイグイと返事を催促をしていた蓮の動きが止まった。