ところが、蓮はキョトンとした表情で梓の前で少し屈み、ヒョイと顔を見上げた。



「あのさ……、感情的になってるみたいだけど。何か勘違いしてる?」

「えっ………。」


「俺は、お前の気持ちが知りたいって言ってたつもりだったんだけど……。」



涙が視界を阻んでてよく見えないけど……。
真っ直ぐに見つめている眼差しは、どうやらお別れを選択してる様子ではなさそうだ。





紬、大和、奏…。
私と蓮が大事にしている仲間達から、今日までたくさんの勇気を貰った。


蓮と気持ちがすれ違った日も。
無視されて話すらしてもらえなかった日も。
気持ちが不安定で喧嘩してしまった日も。

どんなに気分が沈んでいても、いつも傍で励ましてくれる仲間がいたからこそ、今日まで前向きに頑張ってこれた。



だから私は、古い殻を脱ぎ捨てなければならない。
クヨクヨしている時間はもうおしまいにしよう。

三年間応援してくれていた仲間の為に。
そして、自分の未来の為に……。