「紬…。三年間ありがとう。最後に同じクラスになれてよかったよ。いつも紬に勇気を与えてもらえて毎日が幸せだった。紬のお陰で、辛い日も乗り越える事が出来たよ。」

「私も……。梓と友達になれて本当に嬉しかったし、いつも心強かった。充実した高校生活を送れたのは、いつも明るくて元気な梓からいっぱいパワーをもらえたからだと思う。それに、梓が蓮くんと付き合っていたから、イケメントリオとも仲良くなれたし。」


「大和と知り合いになれたしね。」

「あはは、そうそう。」



涙が止まらずに鼻をズビズビとすすりながら話していたけど、紬がイケメントリオと言った途端、一気に現実に引き戻された。



「…あ、そうだ。蓮を探してる途中だった。約束している教室にそろそろ行かなきゃ。」

「蓮くんと仲直り出来たんだね。」


「うん…。みんなのお陰でね。私一人じゃ何も出来ないから。」

「そんな事ないよ。梓にとって、高校生活最後の素敵な思い出になるように祈っているね。」


「ありがと。それと……。これ…、私からの最後の手紙。受け取って。」



梓はブレザーの右ポケットから手紙を出して紬に渡した。
紬は手紙を両手で受け取ると、目をキョトンとさせる。



「あ、うん。なんだろ。……いま読んでもいい?」

「いいよ、封筒を開けて。」



紬は梓の言う通りに封筒を開けて、中身の手紙を取り出して開いた。



「これは……。」



紬は手紙の内容を見るなり、びっくりしたように目を大きく開いた。