高校生活の三年間、ずっと親友でいてくれた紬。
二年生の時は別々のクラスだったけど、毎日のように教室まで会いに来てくれたね。


一年生の時に名前順で席が前後になって、アイドル話で盛り上がって、すぐに意気投合したよね。


私はかわいい系のアイドルが好きで、紬はワイルド系なアイドルが好き。
だから、自然と好きな人もかぶらなかった。



紬は二、三歩後ろを歩くような控えめな性格だけど、縁の下の力持ちだった。
私にとって、紬は勇敢で優しくてしっかりしていてとても大きな存在だったよ。



バレンタインの翌日、紬が大和に私の様子を伝えてくれなかったら、私は大和に助けてもらえなかったかもしれない。

紬が心を支え続けてくれたお陰で、最後まで挫けず毎日学校に登校する事が出来たんだよ。



蓮と別れてからも、復縁を一番に願っていたよね。
紬が親友じゃなかったら、私の高校生活はまた違うものになっていたかもしれない。



いまだってそう。
私の悪い所を教えてくれて、蓮とリスタート出来るように願っている。



今は普段と変わらずに目の前に立っているけど、明日から毎日会えなくなる。


「おはよー、梓。」って元気よく制服着姿で挨拶してくれた朝も。
「蓮くんと復縁出来るといいね。」って、ご飯を口に頬張りながら言ってくれた昼食中も。
学校帰りに一緒に寄り道して買い物を楽しんだあのひと時も。


明日からはもう無くなると思うだけで、寂しさが一気に込み上げてきた。





紬……。
心から感謝してる。

今日まで本当にありがとう。
大好きだよ。

これからは毎日会えなくなってしまうけど…。
これからもずっとずっと親友でいようね。



梓は溢れんばかりの涙を堪える事が出来ずに、紬の前でぐしゃぐしゃに泣いた。