卒業式の会場となる体育館にクラッシックのBGMが流れると、出入口に現れた学級担任が一礼をしてから卒業生を引率する。

私達卒業生は保護者や来賓の拍手で迎えられた。



卒業生一同が着席すると、教頭先生はマイク越しに開会の言葉を口にした。

静粛ムードの中、BGMの隙間から咳払いやパイプ椅子が軋む音などが時より聞こえる。





卒業証書を受け取る順番がいよいよ自分達のクラスの番に。
担任教師が私の名前を呼んで壇上に上がり、一礼してから卒業証書が授与される。



送辞や答辞が行われると、次に前日に沢山練習した式歌を歌った。

生徒一同が声を揃えて歌うこの式歌によって、もうこの学校に通う事は二度とないと改めて実感させられる。
途中から紛れてきた啜り泣き声につられて、途中まで我慢していた涙が溢れ出てきた。





長いようで短かった三年間。

勉強…、そして盛り沢山な学校行事。
先生や友達。
毎日通った教室。
思い出の詰まった場所。
蓮との思い出。

三年間の色んな思い出が脳裏を駆け巡り、涙を流しながら歌に想いを込めた。



閉式の言葉を終え、再びBGMが流れて来賓や卒業生の保護者が拍手で見送る中、私達卒業生はゆっくりとした足取りで会場を後にした。