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「蓮…、ジャージありがとう。洗って返した方がいいかな。」
「いいよ、全然汚れてねーし。…それより、何かあったの?」
折り畳まれたジャージを受け取った彼は、何か物言いたげな目で私を見つめている。
付き合っていた当時を思い出したのだろうか…。
蓮は別れた今でも私を気にしてくれる。
そして、困った時はさり気なく力になってくれている。
それだけでも充分嬉しい。
「ううん、何にもないよ。」
「…ならいいけど。」
そう言って席に戻って行く後ろ姿すら心配しているように思える。
「また、蓮くんと付き合っちゃえばいいのに。」
「それは…、ないよ。」
一部始終を見ていた紬も復縁した方がいいと思っている。
紬は先生との交際を知らないだけに、蓮との復縁を心底願っていた。