蓮は二人の思い出写真の存在を思い出して、学習机の二段目の引き出しの鍵を開けた。



引き出しは思い出に浸る為に何度も開けていて、中身を全て把握している。
交際中も、別れた後も、偽恋人中も。
何度も何度も………。


しかし、久しぶりに引き出しを開けてみると…。
そこには今日初めて目にするものが視界へと飛び込んだ。



それは……。
思い出写真の上に重なるようにして置いてある、合格祈願のお守りと二つ折りの紙。

二つ折りの紙を早速手に取って開いてみると、そこには梓の筆跡でメッセージが書いてあった。



《ずっとずっと一緒にいたい。梓》



まさかのサプライズに、思わずツーンと鼻頭が熱くなった。
自分の知らない間に梓が机の中に合格祈願と気持ちを書いたメモを忍ばせていたなんて、思ってもいなかったから…。



「なんだよ…。あいつ、こんな事しやがって。」



俺の気持ちは既に破裂寸前だった。



このお守りが合格祈願だから…。
受験前に机の中に入れたに違いない。