学習机に戻って時たま頭をグシャグシャと掻きむしりながら彼女の事を思い描いてるうちに、彼女が今まで伝えてくれた言葉が一つ一つ鮮明に蘇ってきた。



『蓮が死んじゃうんじゃないかと思って、本気で心配したんだよ!』



『蓮の病状が悪化したら、ある日突然倒れちゃったら、この世からいなくなると思ったら…私っ……私………。』



『私は蓮とやり直したい……。例え蓮が私を忘れようと努力していても、蓮が心配してくれる限りは戦い続けたい。』



『蓮が傍にいないと辛いんだよ…。』



『蓮、私とやり直してよ。もう90パーセント以上努力してるから。………お願い。』



『…お前の悪いところ、まだ見つからないの?』

『頑張って探してるんだけど…。今のペースだと、悪いところが見つかる前に卒業しちゃう。蓮と会えなくなっちゃうよ。』



二人の思い出写真が行事毎に一枚一枚増えていくように、あいつは沢山の気持ちを言葉として残してくれていたのに…。

俺は拘りつづけているある事が手放せずに、小さな殻に閉じこもり続けている。