ーー梓と別れてから半年後。

俺は少しでも関係改善がしたくて、体育館へ向かう彼女を見かけてホイホイついて行くと…。
数学担当の教師の高梨と付き合っているという事が判明した。

俺が浮気の事で気を揉んでいるうちに、彼女は他の男のモノになっていた。



ショックだった。
梓なら、きっといつかやり直してくれるだろうと思っていたから。
自分はフラれる意識が薄かったせいか、少し甘く考えていたのかもしれない。




それから時を重ね、高梨と別れた梓の気持ちは、再び俺の方へ……。



ーーでも、いつしか欲深くなっていた。

本当は喉から手が出るほど欲しくてたまらないのに、好きな気持ちが膨らんでいくほど自分の拘りが強くなっていく。

こんな気持ちになったのは生まれて初めてだったから、正直戸惑っていた。



しかも、嫌がらせから守りきれてない上に、俺自身があいつを信じてやらずに自分の想いばかりを押し付けてしまい、最終的に傷付けてしまった。



それに気付かせてくれたのは、紬ちゃんと大和。
俺達の恋路を見守ってくれていたこの二人が真実を知らせてくれたお陰で、同じところで足踏みしてなかなか先に進まなかった俺は、ようやく目を覚ます事に。