大和は手紙を机に投げ置くと、制服のポケットに入れていたスマホを取り出して、再びベッドに戻って腰を落ち着かせた。



「あいつ…。人の幸せ願う前にやる事があるだろうが。…ったく、あいつらは最後の最後まで面倒くせーな。」



梓が体育館の用具室で男達に襲われそうになった日から、バカみたいに梓との口約束を守っていたけど…。


どうやら、守れそうにない。
蓮に言うなと口止めされてたけど…。


悪りぃな。





大和は発信履歴から蓮の番号を検索し、通話ボタンを押した。



トゥルルルルッ トゥルルルルッ …



『おぅ、大和。…何?』



4コール目で電話に出た蓮の声は少し元気がない。
だが、俺は蓮の気持ちなどお構い無しに話を始めた。