家に帰宅した大和は、部屋のベッドに寝転びながら、梓から受け取った手紙を開いた。
家で手紙を開いたのは、梓との最後の約束を守る為。

早速、手紙に書き記されていた内容に目を通すと…。



《卒業式後に大事な話をするから、一人でここに来てね!絶対に時間厳守だよ》



メモの下には卒業式を終えた一時間後の時間と、体育館から告白スペースまでの道のりを示す矢印が地図に書いてあった。

大和はそれを目にした瞬間、先程別れ際に言っていた梓の言葉をふと思い出した。



『大和、卒業おめでとう。今まで本当にありがとね。感謝してる。』



そこで明日告白スペースに現れるのは、先ほどお別れの言葉を伝えてきた梓ではない事に気付いた。



「なんだよ…、これ。」



普段は鈍い大和だが、唯一自分の気持ちを知っている梓の最後の計らいだと知る。