ーー大学入試が無事に終えて、ようやく受験地獄から解放された。
受験前は精神的なストレスが一斉に押し寄せてきたけど、一山超えた途端もぬけの殻に……。
精神的な疲れにより、自宅のベッドでゴロゴロしていると…。
目線の先にある学園祭の蓮とのツーショット写真と、隣の卓上カレンダーに書いてある【卒業式】という文字が目に飛び込み、一気に現実に引き戻された。
梓はベッドから身体を起こして卓上カレンダーを手にする。
卒業式まであと五日。
蓮と仲直り…、日程的に間に合うかな。
ううん、もうダメかもしれない…。
この三年間、喧嘩をしては仲直りの繰り返しだったけど、喧嘩の回を重ねる毎に蓮との距離が遠退いてる気がする。
もし謝れたとしても、前回みたいにまた無視されちゃったらどうしよう。
卒業までもう時間がないのに…。
卒業式を金曜日に控え、いよいよ学生生活最後の週明けを迎えた。
基本は自由登校だけど、卒業式の準備期間に入っている為、来校出来る生徒は式の準備に取り掛かる事になっている。
私は蓮と仲直りをする為。
紬は大和に会いに来る為。
大和は学校に思い入れが強かったので、最後まで学生生活を楽しむ為。
奏は4股の彼女達に会う為。
四人は平常通り登校したけど…。
蓮だけは学校に姿を現さなかった。
既に有名私大に合格しているから、もう学校に来る必要はないのだろうか。