梓は正面の男をキッと睨みつけながら怒鳴った。



「やめてよ!触んないで。」

「おーっと。拒否られちゃうと、尚更燃えちゃうんだけど。」

「『やめてよ!触んないで。』だってさ~。ウケるな。」



梓は迫り寄る男の右手を振り払う。
だが、嫌がる梓を茶化して笑う男達。



マズイ……。
このままだと、男達の思い通りにされてしまう。

男達は自分がフラれた原因は蓮と思い込んでるみたいだけど、蓮自身は何も知らないし、怒りのやり場を向ける相手が間違っている事に気付いていない。


勿論、私の話を聞き入れるつもりなんてない。
私を傷付ければ蓮も傷付くと思ってる。



…でも、そんなの間違ってる。
腹いせで人を傷付けても、自分達には何のメリットもないんだよ。



蓮…怖いよ………。
助けて…、お願い…………。



恐怖のあまり目をギュッと瞑って心で強く願っていても、当然蓮の耳までは届かない。

梓は正面の男にドンっと肩を押されて突き倒され、恐怖のあまり腰が砕けてしまってこれ以上動けなくなると、正面の男に制服のリボンをいとも簡単に剥ぎ取られた。