紬の幸せそうな姿を見ていたら羨ましくなって、席で自習をしている蓮の元へ数学のノートを持って行き後ろから声をかけた。



「蓮。ちょっとここがわからないんだけど…。」

「んー?ちょい見せて。どこがわかんないの?」



冬は恋する季節。
私も蓮と幸せになりたい。



先週、友達レベルまで距離を縮めてくれた蓮。
偽彼氏時代から比べるとまだ同じ位置までは到達してないけど、卒業間近の今は二人の間の亀裂を少しでも修復出来て良かった。

つい先日まで口を利いてくれなかったのが嘘のよう。



だけど、再接近した私達に気付いたクラスの女子は、再び陰口を言うようになった。
きっと、再三にわたって蓮に近付く事が気に食わないのだろう。


その日を境に、私は花音だけじゃなくて他の女子からも堂々と悪口を言われるようになった。