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梓「ねぇねぇ、私の悪い所ってどこだと思う?」



ーー蓮の家にお泊まりをした次の日の、週明けの月曜日。

蓮が塾で帰宅したのを見計らって、奏、大和、紬に声をかけてファースト店に場所を移して三人に相談を始めた。



奏「梓は欠点が多過ぎてよく分からないけど…。あ、わかった!頭!」

大和「ちげーよ。顔だろ。間違いねーよ。」

紬「もう!二人ともやめてよ。ひどいんだから…。全然そんな事ないのに。」

梓「………。」



この三人の中で、唯一紬だけが私の味方をしてくれた。
自分の悪い所がパッとすぐ思い浮かばないから、この三人に相談したんだけど…。

奏と大和は本当に酷いな。
もはや悪意しか感じられない。


いくらなんでも女子に向かってストレートに頭が悪いだの顔が悪いだのって、あり得ないでしょ。
恵まれた容姿の人には私の苦しみなんてわからないんだよ。

奏は手にしている鏡を見て前髪を直しながら言った。



奏「…で、何で俺らにそんな質問をするの?」

梓「私が悪い所を直せば復縁してくれそうな雰囲気だったから……。まずは自分の悪い所を探そうかと思って。」

大和「えっ、復縁は自分だけの問題なの?蓮がこの前、俺の問題がどうとか土台がどうとか言ってたけど、それは関係ない?」


奏「大和の話はいつも的外れだからな……。さすがにそれは関係ないんじゃない?」

紬「梓の悪い所が見つかったら、蓮くんは復縁してくれる可能性があるって事だよね。」

梓「……うん…多分。」



先日、ようやく普通の会話ができるまで関係改善が出来たけど、復縁するには先に答えを探さなければならない。


とりあえずみんなの意見を聞いてみたけど、この問題の答えは自分しか探し当てられないかもしれないとも思った。



大和「あ!わかった。エロい所だろ。あれ?それは蓮にとってはいい事かな?」

奏「それだ!確か梓はエロいって蓮から聞いた事あったような…。」

梓「!!」

紬「……。」



一瞬、イケメントリオの間でどんな情報が取り交わされていて、何処から何処まで話が筒抜けなのかがわからなくなり、絶望感に陥った。

蓮はおしゃべりのクセに、肝心な事は話さないんだから…。