「蓮、いま私とやり直す可能性は、何パーセントくらいあるの?」

「あのさぁ……。いまお前を忘れようとしてるのに、そんなの言える訳ねーだろ。」


「私を忘れようとしているなら、パーセンテージは0じゃないって事だよね。この前だって、美玲のジャージを着ているのを見て心配してくれたし…。」

「……あっ…あれは、つい…お前を見てしまう癖というか………見境がなくなっちまった……っつーか。とにかく、しょーがねーだろ!」



口を尖らせてムキになりながらしどろもどろと語る一言一言には、私との希望が見え隠れしている。
完全に気持ちが消え失せているのなら、心配しないはず。



「10パーセント。」

「…え?」


「もし、私に対する気持ちが10パーセント残っているなら、私は残りの90パーセントを頑張るから、蓮は私に10パーセントだけ努力して。」

「どっかで聞いた事あるセリフだけど、まさかの使い回しじゃ………。それ、マジで言ってんの?」


「当たり前じゃん。こんな大事な話をふざける必要がある?」

「あのさぁ、無駄口を叩くくらいなら、自分の悪い所を先に直せよ。」



蓮は真顔でそう言ってきた。



「…私の悪い所?何それ?」

「そんなの自分で考えて。お前の悪い所が直ったら、また付き合ってやってもいいけどな。」



私の悪い所?
それが改善されたら、また私と付き合ってくれるのかな。


はっ、まさか!
さっき意地悪した事を根に持ってるのかな?
それとも、昨日の色仕掛けがマズかったとか?

いや、実は昨晩酔っ払ったフリをした事がバレていたのかもしれない…。



一見簡単そうな問題だが、いざ自分の事となるとなかなか見つからない。
つい間近の事ばかりに考えがちで、その答えに辿り着くまでまだまだ時間がかかりそうだ。