「この前、私に将来の夢を聞いてきたよね。」

「あぁ…。」


「ようやく将来の夢が決まったの。」

「…で、お前の夢は?」


「蓮のお嫁さん。」

「…俺ら、もうとっくに別れてるんだけど。」



復縁スイッチにより再稼働した私のハートはメーター振り切り寸前。
でも、そんな私とは対照的に蓮はスパッと切り捨てる。


つい二ヶ月前までは、あんなに熱を上げて追いかけ回してくれたのに…。
若干二人の気持ちに温度差を感じながらも、怖じけず復縁話を続けた。



「私は蓮とやり直したい……。例え蓮が私を忘れようと努力していても、蓮が心配してくれる限りは戦い続けたい。蓮だって私との将来を見据えて考えていてくれたんでしょ。」

「…俺と付き合ったら、また誰かに嫌がらせされるよ?それに、何でそんなにやり直したいの?」


「それは……、みんなの前で堂々と本物の彼氏として守って欲しいから…。」

「…何、それだけ?」


「だって、蓮が『俺にしとけよ』って言ってたし…。」

「いつの話だよ。しかも、俺は余り物扱いかよ。」



煮え切らない復縁話に溜息をつく蓮。
決め手となるもう一言が、喉の奥でひっそりと潜めている。